「イース」や「ザナドゥ」「ドラゴンスレイヤー」などで有名な老舗ゲームメーカー「日本ファルコム」が、先日、ゲームの音楽を使用フリーにすると宣言して、話題になっています。私も凄く驚きました。今回はこれを機会にファルコムレーベルについて話を書こうと思います。

■ファルコム音楽フリー宣言(公式)
http://www.falcom.co.jp/music_use/

■無料&手続き不要で3400曲以上ある日本ファルコムの全楽曲が利用できる「ファルコム音楽フリー宣言」GIGAZINE
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20090605_falcom_music_free/


日本ファルコムの音楽は、ゲームミュージックというジャンルの中ではある意味、ジャンルの成長を支えてきたレーベルのひとつだと私は思っています。

80年代、PCゲーム全盛期、ファルコムはPCゲームにおけるファンタジーRPGの草分け的存在でゲームファンから絶大な支持を得ていました。「ドラゴンスレイヤー」「ザナドゥ」「ソーサリアン」「イースシリーズ」「英雄伝説シリーズ」「ブランディッシュ」など多くの名作を生みました。

それと共にゲーム中で使用されている音楽もグラフィックと共に高い評価を受けました。ファルコムの曲の特徴としてアップテンポのロック調の曲があげられると思いますが、当時のロックブームと相まって強い印象をゲームをプレイした人に残すものとなりました。また、クラシック調の幻想的な曲もゲームの雰囲気にマッチしていてそちらも評価されました。

良い曲はゲーム以外のシーンでも聴きたくなるもの。好きな人は音源をテープなどに録音し、音楽として聴いていたなんて人も少なからず現れました。しかし、当時のゲームの音楽といえば、PSG音源やFM音源が主流でした。貧弱な音源の曲をちゃんとした演奏で聴きたい。当時のゲームファンの中にはそういう欲求をもった人間が少なからずいたと思います。

その欲求に大いに応えてくれたのが、ファルコムのファルコムレーベルだと思います。MIDIや生演奏でアレンジした曲はもちろんの事、歌詞をつけたボーカルアレンジというものさえ作られました。サントラはもちろんの事、様々なアレンジCD、企画CDが発売されました。それらは原曲が好きな人々にとってはたまらないものになりました。

ゲームのBGMをゲームを盛り上げるだけの存在ではなく、単体の音楽としても価値が成立する事を世に知らしめたメーカーのひとつだったと思います。

当時、ファミコンではすぎやまこういち氏がドラゴンクエストのオーケストラアレンジCDなどを出して、高い評価を受けていましたが、PCゲーム業界界隈でもこのファルコムレーベルをはじめ、ゲームの音楽が1ジャンルとして形成され始めてました。またアーケードゲーム業界でもセガやナムコあたりが、アレンジや原曲のCDをレーベルとして出し始めていて、ゲームミュージックの黎明期と言っていい時代だったと思います。

その黎明期の一角を支えたのがこのレーベルだったのではないかと私は思います。


私も昔はファルコムレーベルの大ファンで、ボーカルコレクションを中心にかなりファルコムの音楽は聞き込みました。ファルコムの音楽についてはある意味ゲーム本編以上の並々ならぬ思い入れがあるのです。

J.D.K.BANDとかめっちゃ好きだったなあ。周囲が流行のJPOPとかを聴いている中、私はファルコムレーベルばっかり聴いていたよ。

中でもボーカルコレクションシリーズは好きで、特に南翔子さんのソロアルバムの「フィーナ」とJDKBANDの「ファルコムボーカルスペシャル/JDKBAND3」はなんとかの一つ覚えみたいに聴きまくりました。「フィーナ」はたぶん私の生涯で一番再生された回数の多いアルバムだと思います。

ボーカルとしてはアニソンなどでも有名なフリーシンガーソングライター新居昭乃さん、声優の平野文さん。タレントの森口博子さんなどが多くのアーチストが参加しています。

ゲームミュージックのボーカルアレンジというものを生み出したのはおそらくファルコムのこのレーベルが最初なのではないでしょうか。音楽をそのまま素材にできる現在ではゲームにボーカル曲なんてめずらしくありませんが、当時はゲームミュージックにボーカル曲なんていうのはありませんでしたからね。ゲーム自体にボーカル曲が技術的に採用できなかったのです。

そこから、アレンジでボーカルを入れてみようという発想はなかなかできないし、思いついたとしても、ここまできちんとした形に出来たのはこのレーベルくらいのものだったんじゃないかと思います。

あと、アレンジアルバムとして私が好きなのが「プレプリマ2」。ヒーリングミュージックアレンジの第2弾で南の島をイメージしてアレンジされたアルバムで、静かな気持ちになりたい時にはよく聴いてました。

曲単体で好きなのはなんといっても「ノルティアの氷壁」あの曲は原曲で聴いてもしびれます。イース2の3大名曲は「ノルティアの氷壁」「サルモン神殿」そしてオープニングの「TO MAKE THE END OF BATTLE」だと思う。まあ、基本的にイース2は強烈に名曲ばかりだけどね。

ホント、当時のファルコムは名作、名曲揃いだったと思います。ただ、今のファルコムは昔の栄光に縋ってるイメージが強くて少し残念ですけど。でも今回のこの宣言でちょっと見直しました。新しいことに挑戦する昔のファルコムの姿勢が垣間見れた気がしました。


それと、今回、このニュースが出てきたおかげで、私のようなファルコムレーベルを話題にしている人がたくさんいて、そのことも嬉しかったですね。意外とファン多かったんだなあと驚かされました。私がはまっていた当時はネットとか無くて、田舎暮らしの私には自分以外のファンの存在を感じることはあまりなかったからですね。

古いファンとしてはファルコムには未だに期待するところもありますし、今回の宣言で、なにか大きな動きがあればなってちょっと期待しています。

■参考動画■
イース2オープニング(TO MAKE THE END OF BATTLE)



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